千葉県糖尿病対策推進会議について
一般社団法人 千葉県糖尿病対策推進会議
代表理事 橋本尚武
我が国の糖尿病患者数の推移は、2012年の厚生労働省が行った国民健康栄養調査によれば、糖尿病が強く疑われる人950万人(2007年より60万人増加)、可能性を否定できない人1100万人であり、後者はやや減少傾向になりましたが、合わせて2050万人と推察されています。御存じのように糖尿病という疾患は、網膜症、腎症、神経障害という3大合併症に加え、心筋梗塞、脳梗塞などの大血管障害、がん、歯周病、認知症、感染症、また骨折(骨粗鬆症、骨質低下)、うつ病なども非糖尿病者と比べて発症が多く、ただ血糖をよくすればいいという病気ではありません。言い換えれば糖尿病の発症時は、血糖は氷山の一角のひとつの指標に過ぎず、生命予後に強く影響を与える疾患の早期発見できるよい機会であり、各疾患を早期介入し患者さんのQOL低下を防ぎまた将来の医療費削減につながることが期待されるわけです。
上記の問題に対し、日本糖尿病対策推進会議は、日本医師会を中心に糖尿病学会、糖尿病協会も参加し全国で発足した会議が行われました。千葉県においても当時の藤森元千葉県医師会長、鈴木元副会長を中心とした県医師会の方々、糖尿病学会、協会の代表者が集まり、2007年6月に第一回発足打ち合わせ会議を開催し、2012年に一般社団法人化いたしました。
糖尿病に関連した講演会、講習会を開催させていただき、糖尿病診療の向上を目指しておりましたが、糖尿病を医師だけで十分に診療するのは困難であり、トータルケアの重要性の見地から2012年に千葉県糖尿病療養指導士/支援士(CDE-Chiba)認定制度が発足し、2019年までに約1,300名の認定者が誕生。試験を年1回行い、毎年200名ずつ認定者が増加しております。
今後千葉県の糖尿病診療は、今までの慢性疾患看護認定看護師、糖尿病認定看護師、日本糖尿病療養指導士(CDE-J)に新たに加わったCDE-Chibaの人たちとともに、糖尿病患者の診療指導のさらなる向上にあたり、結果として患者さんのQOLの向上を確認でき、全国へこの取り組みを発信できればと思っています。
千葉県や県医師会など他多くの方々のご支援を頂いて参りましたが今後もこのような当会議の目的趣意をご理解いただき、引き続き皆様の御支援御指導のほどお願い申し上げます。